オペルクリカリア・パキプスの剪定枝を水耕して失敗した原因

植物

こんにちは、「Leaf a Hand」のれおです。皆さんのパキプスは元気に育っていますか?

うちのパキプスはというと⋯⋯。

成長が進みすぎて実生3年目とは思えないほどの幹の太さになりました。

れお
れお

ぶっとくて、ぼっこぼこです

とても気に入っている株ではありますが、「もっと枝ぶりを良くしたい!」という思いから、攻めの剪定を決意しました。

「何かを得るには、何かを失わねばならない――(某錬金術マンガ風)」

新しい枝を得るためには、古い枝を失います。剪定前の全体像はこちら。かなり伸びていて、今のうちに整理したいと思ったのがきっかけです。

剪定時期と環境

  • 時期:2024.10月中旬
  • 最高気温27~29℃、最低気温20℃前後 (残暑が厳しい)
  • 天気は晴れが多い

まだ暖かさが残るタイミングで実施しました。

剪定に使用したもの

剪定ばさみ 

切れればなんでもいいです。

トップジンMペースト 

切断面を保護するものです。植物にとっての絆創膏ですね。

剪定する枝

私のパキプスで一番太い部分です。太いのですが方向的にこちら側に枝がこの1本だけなため枝ぶりをよくしたい。この部分から他の枝が出てくれることを願って、この部分を剪定することにしました。

剪定手順

1 剪定バサミを消毒

消毒できるならなんでもいいです。コンロであぶって消毒しました。(アルコールでもOK)。

2 剪定

剪定する箇所を決めたら思い切って剪定します。今後屋内管理を見越して、伸びすぎた枝もあわせて剪定しました。ここからもほかの芽が展開してくれると嬉しいです。

3 切断面にトップジンMを塗布して終了

剪定箇所にトップジンを塗布しました。厚く塗らず薄く塗布します。トップジンを塗布すると切断面がオレンジ色になるため、それを嫌う方、もしくはトップジンが近くに販売していなければ、「ベンレート」でも可能です。トップジンは植物にとっての絆創膏です。

どうせなら剪定枝を使って、水耕発根にチャレンジしてみました。

パキプスはパワータンクだけでなく、枝も発根管理することで増やすことができます。そこで、せっかく採取したこの太い枝で剪定枝で水耕発根を試みてみました。

準備した物

  • 剪定した枝×5本(うち太い1本が本命)
  • ルートン
  • 使用済みジャム瓶(発根用の容器)

剪定した枝は一番太いもので0.8センチあります。長さは15センチ程度です。

手順

1 枝の切断面にルートンを塗布

切断面にルートンを薄く塗布します。ルートンは発根促進剤です。

2 瓶に挿して管理

枝の管理期間の詳細

  • 瓶の水は2〜3日に一度交換
  • 置き場所は室内管理で植物ライトを6:00〜21:00で照射
  • 温かい晴れた日であれば、ベランダで日光に当てる

10日経過(2024.11.5)

新芽を展開しています。切断面に関しては特に変化ありません。

20日経過(2024.11.12)

葉は元気で新芽の展開がありました。切断面は少し膨らみ始めています。

1ヶ月経過(2024.11.22)

1ヶ月を経過しても新芽を展開していて、切断面も膨らんできました。これは成功したなと確信した時期です(笑)

40日経過(2024.12.10)

この時期ぐらいから、枝が一気に紅葉を始めます。切断面は膨らんではいますが大きな変化はありません。

50日経過(2024.12.25)

紅葉した葉は落葉しました。切断面は特に変化がなく、「おや?」と思いだした時期です(笑)

70日経過(2025.1.15)

水に漬けている部分が徐々に黒くなっていきました。切断面も調子が悪そうです。

80日経過(2025.1.27)

変化はありません。切断面は撮影し忘れていました。

5ヶ月経過(2025.3.24)

完全にだめだと思い、撮影するのをやめてしまい、この時期になってしまいました。完全に諦めてはいたものの、水の交換は継続していました。

完全に落葉し、水に漬けているとこは黒くなっています。切断面も色が悪いです。

最後に枝の調子を見てみる

失敗と判断しました。しかし、このまま捨ててしまう前に枝の調子を確認してみました。

枝を剪定して、剪定面を確認してみると意外と青々としていて、元気な気がします。

結果は失敗。3つの反省点

見事に全滅しました。何が原因かを調べました。

① メネデールを使わなかった

調べてみると、現地球や剪定枝の発根管理にはメネデールを希釈して使うのが定番のようです。

メネデールとは?植物に優しい液体肥料で、「植物のおかゆ」とも呼ばれる存在。弱った株や発根管理には特に効果的です。

現地球の株(海外から輸入した株)や枝を剪定し発根管理する際はメネデールを希釈した水につけることが多いらしいです。

メネデールとは液体肥料の一種ですが非常に植物に優しい作りになっており、弱った植物に栄養を与える。植物にとって“おかゆ”のような、やさしい栄養源です。

れお
れお

人間で例えると、疲れた身体に主食は重たいからおかゆを食べるイメージです。

他の液体肥料を比較するとこんな感じです。

項目ハイポネックス(液体肥料)リキダス(活力液)メネデール(発根促進液)
主な役割栄養を与えて成長を促すミネラル補給・根張り強化発根促進・回復サポート
特徴窒素・リン酸・カリなどバランス良いアミノ酸・ミネラルなどを含む植物に優しい微量元素が中心
使用タイミング成長期・元気な株への栄養補給根張りを良くしたいとき・活力不足時弱った株・剪定後・発根管理時
使用対象幅広い植物(観葉・草花・野菜など)同上同上(特に弱った植物に◎)
希釈倍率の目安500〜1,000倍1,000倍100倍(発根目的の場合)
人間で例えると主食サプリメントおかゆ(やさしく滋養する)

② 切断面を遮光していなかった

ジャム瓶でそのまま管理していたため、発根部分が光にさらされていたのも失敗の要因です。

植物の根は光を嫌うため、アルミホイルなどで瓶の外側を遮光すべきでした。

③ 気温低下

オペルクリカリア・パキプスの耐寒温度は10℃です。秋に剪定して、そこから寒くなっていく時期だったため、枝の育成には影響が大きかったと思います。

剪定すること自体は秋でも問題ありません。しかし剪定して発根管理するなら、温か時期に実施するべきでした。

まとめ(次回への改善点と剪定後の話)

今回のチャレンジはうまくいきませんでしたが、学びは大きかったです。

  • メネデールで発根環境を整える
  • 遮光対策(アルミホイルなど)を忘れずに
  • 発根管理する場合は温かい時期にする

次回はこの3点を意識して、必ず成功させたいと思います。

ちなみに、剪定から8ヶ月経過後、株の本体の方では画像のような動きがありました。剪定目的である、剪定箇所の枝ぶりをよくするという目的は達成することができました。剪定や発根チャレンジはうまくいかないこともありますが、それも含めてパキプス育成の楽しみですね。

剪定箇所の節部分から芽を展開してくれそうな兆候があります。(2025.5月)

剪定した箇所の節の部分から3本の枝が展開してくれました。(2025.6月)

以上パキプスの剪定を失敗した話でした。皆さんのお力になれれば幸いです。

れお

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