- パキプスを植え替えたいけどやり方がわからない
- 植え替えには何が必要なの?
- 動画だと進行が早くてわかりにくいから、文章で確認しながら植え替えしたい
みなさんこんにちは。Leaf a Hand の れお です。
今年も植え替えの季節がやってきましたね。オペルクリカリア・パキプスを育成している方にとっては、毎年の楽しみな行事の一つではないでしょうか。私は今年も植え替えを実施しました(実施したのは4月ですが、投稿は8月に…⋯。だいぶ遅れてしまいました)。
この記事は、秋頃や来年の春に植え替えを予定している方に向けた内容です。できるだけわかりやすく、初めての方でもこの記事を見ながら進めれば植え替えができるようにまとめました。
「まずは植え替えを実践してみたい」という方は、文章を細かく読まなくても目次だけで作業の流れを確認できます。
補足情報やコツも載せていますので、余裕があればぜひ本文もご覧ください。是非ともこの記事を活用して植え替えをやってみましょう。お気に入りのパキプスに、気持ちの良い環境を整えてあげてください。
前回(2024年)の植え替え記事はこちらになります。前回とのパキプスの成長の比較に是非ご覧ください。
パキプスの植え替えを検討するタイミング



鉢がパンパンになっている
プラスチック鉢を握っても固い場合は、根が詰まっているサイン。鉢内の通気性が悪くなり、株の成長に影響がでます。また根っこの成長するスペースもなくなるので植え替えを推奨します。
株の調子が悪い
葉が赤みを帯びて緑にならない、新芽の展開が遅いときは根詰まりや環境ストレスが原因かも。根の状態を確認する意味でも植え替えが必要です。去年の私がまさにそうでした。



お気に入りの鉢に植え替えしたい
お気に入りの鉢が見つかったら、最高の一株を作るための植え替えをしましょう。見つけた鉢にお気に入りの株を移すのも立派な理由。植物をインテリアとして楽しむ上でもモチベーションが上がります。
植え替えをするなら基本的に春



まずは前提条件の確認です。パキプスの植え替えをするなら春が圧倒的にオススメです。
パキプスは春から秋にかけて成長し、冬は休眠期に入り動物でいう冬眠のような状態にはいります。植え替え後は調子を崩すので、パキプスの成長期を少しでも長く保つために春に植え替えを推奨します。
人間も引っ越しや環境の変化があれば、慣れるまでに体調の変化がでますよね。植物も同じなんです。もし春の次に植え替えをするなら成長が落ち着いた秋です。しかし、寒さへの配慮も必要ですので、植え替え後の気温等には注意が必要です。
ちなみに前回の春の植え替え後に私のパキプスは短い休眠期に入っていました(笑)もし春に植え替えをしそびれてどうしてもやりたい方は秋にやってしまいましょう。そのまま休眠してしまう可能性もありますが、夏の成長期をとりこぼすのはもったいないです。
植え替えに必要な道具



道具はこだわってもよし。100均で揃えても十分。私も「かっこいいスコップが欲しい」と思いつつ、結局ダイソーを愛用しています(笑)
鉢
オペルクリカリア・パキプスの育成ではBANKSのロングポットをオススメしています。根の生育が非常に調子いいです。過去記事でも紹介していますので是非ご確認ください。
用土
BANKSのBest Soil Mix を使用しています。植物の根が「ここ気持ちいいな」と思えるような配合をしています。植え替え時は植物の根が心地よいと思えるように。栽培していくにつれストレスをかけ根が強く丈夫に育つように。この2つを兼ね備えたのがBest Soil Mix です。
まさかの用土が足りず、急遽追加で購入しました
植え替えの最中に用土が足りなくなり、急遽ホームセンターで用土を購入しました。慌てて購入しましたが、水はけもいいし微塵も少なくオススメできる用土でした。
鉢底石
なんでもいいです。ダイソーにも売っています。
マグアンプK
緩効性の肥料でじわじわと効いてくれます。
オルトラン
害虫対策の浸透移行性殺虫剤です。浸透性移行とは、根や葉から吸収された有効成分が植物体内をめぐり、植物全体が殺虫効果を持ち害虫を防除する薬剤のことです。
スコップ
使えればなんでもいいです。いつかかっこいい所有欲をみたすスコップが欲しいです(笑)
ソイルスティック(割りばし)
用土を入れたあとに鉢内の空洞をうめていくものです。割りばしで大丈夫です。
用土を逃がすためのバケツ
マンションベランダ園芸のため、いったん用土を逃がすところが必要でダイソーで購入しました。
折り畳めるバケツが重宝します。毎日使うわけではないので折り畳めるのがGood!!
パワータンク採取するために必要な道具
剪定バサミ
ホームセンターで購入した適当なハサミを使っています。個人的にどうせ使うなら所有欲を満たすかっこいいハサミがほしいです。
トップジンM
切断面を保護し病原菌の侵入を防ぎ、枯れこみを防止し、切り口の回復を早めます。薬剤がオレンジ色なので気になるかたはベンレートでもいいです。塗布するのが楽なのと、最終的にオレンジ色は馴染んでオレンジ色が気にならなくなるので私はトップジンMを使用しています。
パキプス植え替え時の環境
- 最高気温25℃
- 最低気温16℃
1週間先までの最低気温が10℃以下にならにような時期に植え替えしました。前回の植え替え時に1日最低気温が10℃を下回る日があったので、今回は気を付けています。
パキプスの植え替えスタート



植え替えをするのがこの株です。冬季も室内で植物ライトのおかげで成長していました。この太い幹を見てください。実生(みしょう)4年目でこのカッコいいボデー!!!!



鉢から株本体を取り出す
まずは鉢の表面の用土を落とした後に、鉢をトントンと叩いていくと振動で用土がほぐれて取り出しやすくなります。
植え替えの数日前から水あげを控えると、鉢から株が取り出しやすいです
とりだした株の様子を確認します我が家のパキプスは根っこがねじれています。
去年との比較画像



2024年時



2025年時 一つ一つのパワータンクが巨大です。
パワータンクを採取する方法



1.剪定バサミを消毒する
私は火で炙って消毒します。アルコール消毒でもいいと思います。



2.切断する場所を決める
あとは切るところを決めるだけです。パワータンクが連なっている場合は、接続部の下を切るようにしています。
3.切断する
切断するときは一発でしとめて、切断面をキレイにしましょう
ちなみに今回は私の株の主根をぶった切りました



本当は嫌だったのですが、根が一周回ってどうしても植え替えしづらいので、やむを得ず主根部分(画像赤線部分)を切断しました。株が体調を崩さないのを祈るばかりです⋯⋯。
切断後の調子を崩すのが心配だったので、パワータンクを2つ残しました。主根部分からパワータンクを大部分形成していたので、一気に根っこが淋しいです⋯⋯。しかし、これにより来年以降の植え替えがきっと楽になるはずです。
4.切断面を保護する
トップジンMを薄く塗りますトップジンMは人間でいう液体絆創膏のようなものです。



パキプス本体を鉢に植え替える
1.鉢底石を引く
鉢底石は鉢内の通気性・水はけをよくします。また用土の節約にもなります。必須ですが、ものはなんでもいいのでダイソーで購入したものを使用しています。



2.用土を少量いれる
鉢底石を引いたら、次は用土を少量いれます。



3.マグアンプK、オルトランをいれる
少量の用土の次はマグアンプK、オルトランをいれます。マグアンプKは根っこから出る根酸でとけだして効果を発揮するので、根が伸びた先に投入してあげるのがいいです。



4.株本体を植え込む深さを考える
ここでいったん株本体を鉢にいれてみて、株を最終的にどのくらい埋め込むかを確認します。今回は今まで埋まっていた部分を表面にだして埋めようと思います。理由は土の中と土の外だとどっちが株本体が太くなるのかを実験するためです。
5.さらに用土をいれる
4で株を埋め込む深さを確認したら、それに合わせて用土を投入しています。



6.ソイルスティック等で鉢内の空洞をなくす
いったん鉢内を株と用土で埋め込んだら、ソイルスティックでサクサクと鉢内の空洞を埋めてあげます。
7.さらに用土を追加する
6の手順で鉢内にできたスペースにさらに用土を追加します。これでほぼ完成です。
8.お好みで化粧石を加える
お好みで化粧石を追加して見た目を整えてあげましょう。
9.用土の微塵を落とすためにたっぷりの水をあげる
最後に水をたっぷりあげて鉢内の微塵を落とします。たっぷり水をあげて鉢から出てくる濁った水が透明になればOKです。
完成【Before&After】
植え替え前のほうがどっしりとした印象があります。植え替え後のほうが今まで埋まっていた根の部分がくびれていて、少し不細工ですが、成長を期待しましょう。



植え替え前



植え替え後
植え替えた後の注意点
急に日に当てるのではなく徐々に慣らしていく
植物を植え替えた後は、根が定着するまで日陰で管理します。根が張っていない状態で急に日向にだすとしおれる可能性があります。4日間ぐらい様子をみつつ徐々に直射日光にさらしていきましょう。
我が家では、2日間日陰で養生し、1日は直射日光ではなく遮光して日向にさらして、3,4日間は日向に当てる時間を徐々に伸ばしていく。そんなイメージで徐々に徐々に育成環境に慣らしていくようにしています。
株は植え替えで環境が変わり、更にパワータンクを採取しているので、株本体に相当なストレスとダメージを与えているので、優しく大事に扱ってあげましょう。
最低気温10℃を下回らない時期に実施すること
パキプスは寒さに弱いので植え替えて株本体がダメージがあるときに寒さに当てるのには注意しましょう。
可能ならメネデールを溶かした水をあげる
メネデールは人間でいう「おかゆ」のような存在です。植物活力剤であり、肥料ではありません。植え替えと、パワータンク採取で弱った身体にメネデールを溶かした水をあげることで少しでも元気を与えます。
植え替え後は休眠に入ることもあるので焦らず様子を見守る
去年の私がそうだったのですが、植え替え直後に一時的に休眠するときがあります。株本体を信じて見守りましょう。
おわりに
今回は 2025年版オペルクリカリア・パキプスの植え替え手順 を解説しました。
前回から大分成長した姿でした。そしてパワータンクの形成もたくさんあって大収穫できました。今年は主根を切断する大手術をしたので少し心配ですが、株の成長と「土の外に出した根の部分がどう太るか」という実験も楽しみです。
あなたのパキプスも、ぜひ春に植え替えて新しい環境を用意してあげてくださいね。
少し先の画像



今回も休眠してしまいました(笑)
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