- オペルクリカリア・パキプスのパワータンクが大きすぎて鉢に植え込み辛い⋯⋯。
- パワータンクって半分に切断しても発芽するの?
- パワータンクってどのくらいの大きさなら発芽するの?
みなさんこんにちは。Leaf a Handの れお です。
パキプスを育てていると、順調な成長とともに鉢の中で「パワータンク」もどんどん大きくなってきます。
大きく育ったパキプスのパワータンクを株分けするときに、大きすぎるパワータンクに対して鉢が小さくて植え込み辛くて困った経験ありませんか?私は3年間パキプスを育成して植え替えのたびにパワータンクの採取し、株分けして成功も失敗も経験しています。
今回はその中で、大きく育ったパワータンクを半分に切断して植え込んだ結果無事発芽に成功した実例を紹介します。
この記事を読めばパキプスのパワータンクを採取し株分けする際の大きさの基準がわかります。皆さんがパキプスを株分けするためのパワータンクの採取の失敗の確率を多少でも下げることができるので、是非最後までご覧ください。
オペルクリカリア・パキプスのパワータンクとは
パワータンクとは塊根植物のオペルクリカリア・パキプスが土中で形成する水分と栄養分を貯蔵する役割をもつ塊根状の根です。
見た目は小さな長芋のような形をしています。面白いのがこのパワータンクを採取して、根差しする(土に植え込む)と切断面から発芽し株を増やすことができます。発芽後は根だったパワータンクは木質化し、幹に変化します。そのためパキプスを種から実生(みしょう)するよりも太い株を早く作ることができます。
鉢選びとパワータンクの成長の関係
パワータンクの成長には鉢選びも重要です。
我が家のパキプスはBANKSのロングポットでかなり大きく成長しています。パキプスは直根性(ちょっこんせい)の植物です。直根性の植物は基本的に根を縦に伸ばすのでロングポットのような高さのある鉢と相性がいいです。
高さがありつつ、鉢の径は小さめなので、用土の量とスペースを抑えることができます。何より深さのある鉢の中では見た目もオシャレで水はけも良くパキプスを育成するのに非常に相性がいいです。
採取したパワータンクは販売も可能
採取したパワータンクはメルカリ等で販売することができます。2025年9月現在で相場は2.000円ぐらいです。株分けして発芽していればもう少し高く販売可能です。
我が家のパキプスのパワータンク紹介

2024年春

2025年春
ロングポットのお陰でパワータンクもかなり順調に成長しています。

指でみえずらいですが、幹の部分もめちゃくちゃ太ってますね!(嬉)
パワータンク採取に必要な道具
ハサミ(カッター)
切れればなんでもいいです。
トップジンM
切断面を保護します。人間でいう液体絆創膏です。
液剤がオレンジ色です。時間の経過とともに目立たなくなりますが、気になる方はベンレートをオススメします。
GFベンレート
トップジンと同じく切断面の殺菌、予防、治療効果があります。
ルートン
さし木、さし苗の発根を促進させる植物成長調整剤です。
メネデール(あったらいい道具)
パワータンク採取後は株自体が調子を崩します。植物に優しい栄養をあげましょう。人間にとって体調を崩したときに食べるおかゆのような存在がベンレートです。
パワータンクの採取方法
ハサミ(カッター)を消毒する

切断面からばい菌が侵入しないようにハサミ(カッター)を消毒します。
パワータンクを切断する


切断するときは切断面が綺麗になるように思い切って切断しましょう。切断する箇所はパワータンクとパワータンクの継ぎ目の下を切断します。株本体のダメージを考えてパワータンクを1つは残しておいてあげましょう。
切断面にトップジンM(ベンレート)を塗布する

切断面からばい菌が侵入させないように保護します。切断面に薄く塗布します。
乾かす
塗布した薬剤を乾かすために乾かします。1日もあれば乾きます。これだけです。あとはかわかして鉢に植えてもいいですしメルカリ等で販売するでもいいです。
半分に切断したパワータンクを根差しで育成

今回の記事タイトルにある半分に切断するための用意したパワータンクです。
もともと私が管理するパキプスの一番太いパワータンクです。購入当初から根が1周しており非常に植え替えが難しかったので、切断を決意。
パワータンクを株分けしようと思いましたが、根が大きすぎて半分に切断しても発根するのか実験してみました。
実験に使用したパワータンクの大きさ

パワータンクが大きすぎてプレステラ90深鉢だと限界があります。


2025.4.21撮影
半分にしたパワータンクの成長過程
1ヶ月後

2025.5.31撮影
左の鉢が上部、右の鉢が下部どちらも動きはありません。
発芽

2025.6.22撮影(ピンボケすいません)

2025.6.8撮影
無事両方とも発芽しました。流石に下部のほうが発芽が2週間早かったです。
3ヶ月後


上部2025.7.21撮影


下部2025.7.21撮影(芽の先端は剪定しています。)
パワータンクの上部と下部で芽吹きの差は若干ありました。
上部は2本、下部は3本の芽を展開しました。
4ヶ月後

2025.8.19撮影

2025.8.27撮影
どちらの株も無事成長してくれました。剪定をした下部の株は枝ぶりが非常によくなりました。
実験は成功です。

パワータンクは半分に切断しても発芽してくれます。(恐るべしパキプス)
発芽に失敗したパワータンクの根差し

半分に切断したパワータンクは両方とも発芽に成功しましたが、これまで2年で3回採取したパワータンクで発芽に失敗した株が3株あります。
株の大きさ
もちろん太さと長さのバランスはあると思いますが、上記の大きさだと失敗する可能性が高いので切断せずにそのまま植え込んだほうが、株分けした株の成長しやすくなります。
パワータンクの大きさによる発芽の違い

当然ですがパワータンクが大きいほうが発芽に成功しています。もちろん太さも重要ですが、私自身が株分けした株に長さ4センチ以下は失敗しています。そしてパワータンクが太いからといって早く発芽すれわけでもなかったです。パキプスが寒いのが苦手なので、当然株分けしたパワータンクは寒さに弱いです。まだ根付いていないので、より一層寒さへの配慮が必要です。
おわりに
いかがでしたか?オペルクリカリア・パキプスを育成するうえで株分けは皆さん通る道だと思います。更には形成したパワータンクの大きさに悩まされることも必ずきます。
その際にこの記事が少しでも参考になれば幸いです。株分けを含めて植物の育成の楽しさを少しでもたくさんの方に体験してもらえれば嬉しいです。
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